オバマ大統領は雇用を拡大できるか

執筆者:ブルース・ストークス 2009年3月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 北米

「いま行動しなければ危機は深まる」――大胆な財政出動を柱とした空前の規模の景気対策によって、「370万人の雇用を維持し、創出する」と宣言したオバマ大統領。その実現は本当に可能なのか。アメリカを、そして世界を左右する問いだ。[ワシントン発]米オバマ新政権はいま、一九三〇年代の大恐慌以降、世界のどの国も成し遂げたことのないほど短期間に、大量の雇用を創出するという大胆な試みに挑戦しようとしている。 当然のことながら、この前例のない企てに対しては、反対する野党共和党ばかりでなく、党派にかかわりなく実効性を疑問視する声もあがる。しかし不況が深刻化し、失業率がさらに高くなる見通しの中、発足間もないオバマ政権は、すべての批判と経験則に抗って、大規模な景気刺激策と雇用創出プログラムを導入する以外に選択肢を持たない。 二月十三日、米議会は上下両院の協議を経て、総額七千八百七十億ドル(約七十二兆四千億円)の景気対策法案をようやく可決した。だが、アメリカ経済の回復、ひいては世界経済の先行きは、依然として不透明なままだ。 新政権の景気刺激策は、最悪の経済状態に対処しようとするものだ。二〇〇七年十二月以降、アメリカ全体で総計三百六十万人分もの雇用が失われた。しかも、このうち半分が過去三カ月の間に失われている。今年一月時点の失業率は七・六%と、近年稀に見る高さとなった。多くの経済専門家が、二〇一〇年半ばまでに失業率は一〇%を超える恐れがあると見ている。

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