ソマリア沖の「楽園」に蠢くロシア海軍の狙い

執筆者: 2009年3月号
タグ: ロシア インド

 そのソマリア沖に、ロシアが軍事拠点を造ろうと動いているようだ。 ロシアは昨年秋、ソマリア沖で自国船員が乗ったウクライナの貨物船が海賊に乗っ取られたのを機に、自国民の安全確保を理由にミサイル・フリゲート艦を派遣。暮れには艦艇を増派するなど「アフリカの角(ソマリア全域を含むアフリカ大陸東端)」近海でのプレゼンス増大を図っている。 カイロの外交筋によれば、ロシアは海賊対策を隠れ蓑に、ソマリア沖からインド洋上で海軍の活動を活発化させており、アフリカ大陸東端アシル岬の東方に浮かぶソコトラ列島(イエメン領)に基地建設の準備中だという。アデン湾の入り口に位置するソコトラ列島は動植物の固有種の宝庫だが、アフリカ沿岸、アラビア半島沿岸さらには紅海での船舶航行をコントロールできる要衝でもある。

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