パキスタンを苛立たせたインドの「道路戦略」

2009年3月号
カテゴリ: 国際

 アフガニスタン国内でインドが建設していた戦略道路「ザランジ―デララム・ハイウェー」が完成。一月二十二日、インドのムカジー外相がアフガニスタンを訪問し、カルザイ大統領に正式に引き渡した。 アフガニスタン南西部のデララムとイランとの国境に近いザランジを結ぶ二百十八キロのハイウェーは、ザランジからオマーン湾岸のチャーバハールへと続くイラン国内の道路(建設中)につながる。全線が開通すれば、内陸国アフガニスタンは、パキスタンを経由しない海への通路を手に入れる。インドにとっても、対立する隣国パキスタンを迂回して中央アジアへの陸路が開かれるメリットがある。「ハイウェーの完成は我々の協力を誰にも邪魔させないという決意の表れである」。ムカジー外相がそう胸を張ると、カルザイ大統領も「協力関係に終わりはない」と友好関係を強調した。 二人が牽制したのは、インドとアフガニスタンの間に位置し、両国の接近を快く思わないパキスタンだ。昨年六月、パキスタンの情報機関ISIの支援を受けるイスラム過激派は、パキスタン北部の都市ラワルピンディで秘密会議を開き、インドがアフガニスタンで進める建設プロジェクトを阻止する誓いを立てたという。実際、ハイウェーの建設中に、アフガニスタンに駐留するインド軍兵士六人と百二十九人のアフガニスタン人がテロの犠牲となった。

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