怪しいものではありません 子供を救う「ワクチン債」

2009年3月号
カテゴリ: 外交・安全保障 社会
エリア: 日本

 この一月、都内の一般住居に見慣れぬ印刷物が届いた。「〈ワクチン債〉のご案内」と書かれたA4の紙で、資料請求の申込用紙にもなっている。添えられた返信用封筒の宛先は大和証券。ダイレクトメールではなく、大和証券の営業マンが一軒ずつ投函して回ったようだ。 ワクチン債は、発展途上国の子供たちのためにワクチンを買う資金を調達する債券だ。世界子供白書によれば、二〇〇六年に五歳未満で死亡した子供は約九百七十万人。このうちポリオ(小児麻痺)などのワクチンの接種が受けられず命を落とした子供は約百四十万人にも上る。 こうした状況を改善しようと、二〇〇〇年、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)でGAVIアライアンス(ワクチン予防接種世界同盟)が設立された。各国政府や国連機関、NGO(非政府組織)やビル&メリンダ・ゲイツ財団など、官民がメンバー。GAVIの財源は加盟国が二十年間にわたって政府開発援助(ODA)枠から捻出する寄付金で賄われるのだが、ワクチンは早めに広めたほうが予防効果が大きい。時間的なギャップを埋めるために考えられたのが「ワクチン債」だ。債券発行により前もって資金を調達し、債券償還には寄付金を充当するという仕組みである。

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