今こそ冷静に考えるべき「会社は誰のものか」

執筆者:石山新平 2009年3月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

経済危機で議論が噴出し、安易な「後戻り」奨励の意見まで飛び交っている。しかし、「株主は誰か」をよく見れば、取るべき道は決まる。 世界的な経済危機に直面して、まさに未曾有の売り上げ減少に晒される中で、企業は非正規雇用者を中心とした人員の解雇・雇い止めに踏み切っている。今や「派遣切り」の模様が報道されない日はないと言ってもよい。その報道を貫く主張は、意図的かどうかは別として、「弱者を切り捨てる企業はケシカラン」というお決まりのパターンだ。「資本家対労働者」という構図である。 共産党がこの構図で批判を煽るのは一つ覚えで当然としても、『蟹工船』がベストセラーになるなど、社会全体に企業批判のムードが拡がっているのは確かだろう。だが、現在の日本企業は、戦前のように財閥を中心とする大資本家が牛耳っていた姿とはまったく異なる。企業を悪者にするだけで、この危機を乗り切ることができるのだろうか。「カジノ資本主義に踊ったツケだ」「小泉構造改革はそれを助長し、企業にのみ恩恵を与えた」「被害者は国民であり、その象徴が路頭に迷う派遣労働者だ」――。左派政党など野党は、おしなべて構造改革路線を否定し、企業批判を繰り返している。その際に論拠としてしばしば使われるのが、財務省の法人企業統計の次のデータである。

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