饗宴外交の舞台裏 (134)

ドッキリの場面もあったオバマ大統領「初の食事会」

執筆者:西川恵 2009年3月号
エリア: 北米

 零度前後の寒気の中で行なわれた一月二十日のオバマ大統領の就任式。大統領として最初に臨んだ食事会は、その日の昼、連邦議会で催された恒例の上下両院合同の歓迎昼食会だった。 就任式の後、オバマ大統領夫妻は、連邦議会の庭でブッシュ前大統領夫妻がヘリコプターで飛び立つのを見送ると、合同昼食会の会場にあてられた「彫刻の間」に向かった。 新しい大統領と副大統領を迎えて両院合同で昼食会を催した最初は一八九七年に遡るが、その後中断し、現在の形になったのは一九五三年から。米国民を代表して、上下両院が大統領と副大統領のコンビの門出を祝すという意味合いがある。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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