あがくジェマア・イスラミアにすくむインドネシアの選挙戦

執筆者:井田純 2009年3月号
カテゴリ: 国際

[ジャカルタ発]「すべての同胞、ムジャヒディン(イスラム聖戦士)たちよ。我々を死刑にする企てに加担した全員、すなわちSBY、J・カラ、(中略)判事、検事ら米国の奴隷を殺害せよ」――この文書がインターネット上に現れたのは昨年十一月初め。文中の「SBY」はスシロ・バンバン・ユドヨノ・インドネシア大統領の頭文字、「J・カラ」は副大統領の名だ。文末には、二百二人が犠牲となったバリ島爆弾テロ事件(二〇〇二年十月)の首謀者で、イスラム地下組織ジェマア・イスラミア(JI)のメンバー、イマム・サムドラ、ムクラス、アムロジの三死刑囚の署名があった。 インドネシア国家警察がネット上のこの「檄文」にたどり着いた直後、サイトは閉鎖された。国家警察対テロ部局幹部が言う。「我々のアクセスが察知され、向こうは痕跡を消そうとした。サーバーの所在はカナダ、サイト運営者の身元は架空のものだった」。写真でサイトに掲載された「檄文」は、イマム・サムドラの直筆と断定されている。サイト閉鎖の数日後、三人への銃殺刑が執行され、地元での葬儀には、彼らを英雄視する約二千人が集まった。文書は文字通り、三人からムジャヒディンへの遺言と受け止められている。

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