またも「ミサイル発射」で脅す北朝鮮の古い手法

執筆者:平井久志 2009年3月号
エリア: アジア

相変わらず「進軍のラッパを吹き鳴らす」のが好きな北朝鮮。オバマ政権に対し「ミサイル」で脅すのか関心を引くのか、その狙いは――。 三月八日、北朝鮮で最高人民会議の代議員選挙(第十二期)が行なわれる。選挙権は数え年十七歳以上の者に与えられているが、選挙区ごとの立候補者は一人で、住民は賛成投票を要求される。いわゆる民主的な選挙ではない。 実は、代議員の任期は昨年九月に切れている。おそらくは八月に選挙をしようとしたが、金正日総書記の病変で実施できなかったのであろう。今回注目されるのは、代議員の世代交代がどれほど行なわれ、最高人民会議での「国家の最高職責」である国防委員長の選出と国防委員会を構成するメンバーがどうなるかだ。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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