「研修生切り」は日本の国家的汚点

出井康博
執筆者:出井康博 2009年4月号

 昨年秋からの急速な景気悪化によって、派遣労働者の失業が深刻化した。メディアも“派遣切り”として大きく取り上げ、非正規雇用を巡る制度の見直しが議論されている。 その陰で、同様に雇用を打ち切られながら放置されたままの存在がある。外国人研修・技能実習制度(以下、研修制度)を使い、アジアの発展途上国から来日している研修生たちだ。 研修制度は一九九三年、発展途上国の若者が日本で技術を身につけ、帰国後に母国で活躍してもらうことを目的として始まった。二〇〇七年には、この制度のもと来日した研修生が初めて年間十万人を突破。日本での受け入れ先は、中小の製造業者を中心に二万五千社に上る。そんな研修生たちに対し解雇が相次いでいることはほとんど知られていない。“研修生切り”と呼ぶべき事態だ。

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執筆者プロフィール
出井康博 1965年岡山県生れ。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『THE NIKKEI WEEKLY』記者を経てフリージャーナリストに。月刊誌、週刊誌などで旺盛な執筆活動を行なう。主著に、政界の一大勢力となったグループの本質に迫った『松下政経塾とは何か』(新潮新書)、『年金夫婦の海外移住』(小学館)、『黒人に最も愛され、FBIに最も恐れられた日本人』(講談社+α文庫)、本誌連載に大幅加筆した『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『民主党代議士の作られ方』(新潮新書)、『襤褸(らんる)の旗 松下政経塾の研究』(飛鳥新社)。最新刊は『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社+α新書)。
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