「最大の後ろ楯」中国の見る北朝鮮後継者レース

2009年4月号
カテゴリ: 国際

「昨年、交通事故に遭いひどい傷を負ったそうです」――北京の消息筋は、北朝鮮の金正日総書記の後継に三男・金正雲が内定したとの韓国発報道が相次いでいるのに疑問を呈する。事故の時期や負傷程度などは不明だが、後遺症が残り「後継者にできる体調ではない」と中国は判断しているという。 二〇〇五年十月、中国の胡錦濤総書記が訪朝した際、北は次男・正哲を「後継候補に内定」と事前通告し、正哲は父・正日立会いのもと、平壌で胡に面会した。「最大の後ろ楯であるわが国に北があからさまなウソをつくとは考えられないが、情勢の変化はありうる」と中国はその後の推移を注視していたが、正哲にも体調異常説が浮上。「三男の可能性も残るか」との見方が浮かびかけていた。 そこへ発生した三男の事故に正日は激しく動揺、かねての不摂生も重なり、昨年夏、脳卒中を起こした。「金総書記の義弟で、今や後継者の最大の後見役になると見られる張成沢朝鮮労働党行政部長は、しばしば訪中している」と同筋は明かし、次男後継の基本方向は変わらず、張が支える金ファミリーと軍長老・高官を軸に「救国連合政権」を作ってポスト金正日の過渡期を乗り切ろうとしていると見る。二月に相次いだ呉克烈大将の国防委員会副委員長への昇格や人民武力相、総参謀長の交代は「軍側の準備本格化の表れだろう」という。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順