スティールを諦めさせたユシロ化学「防戦」の五年

執筆者:清水常貴 2009年4月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

まさしく寝耳に水。米投資ファンドの“標的”となった日本企業は、いかにしてこの闘いを乗り切ったのか。当事者の前社長が全貌を語る。「突然、嵐に襲われたようなものだった」という経営者もいる。米投資ファンド、スティール・パートナーズ・ジャパン・ストラテジック・ファンドが、買い占めた保有株を売却してただいま撤退中だ。「世界的な株価急落で大方の投資ファンドが評価損を出し窮地に立たされている。日本でアクティビスト(物言う株主)として株を買い占めてきたスティールも同様で、資金提供者の解約が急増し日本株を売らざるを得なくなったのでしょう」(大手証券の投資情報部長) スティールは二〇〇三年に金属加工用油剤メーカーのユシロ化学工業(東京証券取引所一部、当時は二部)と染色会社のソトー(同二部)の株を買い占めたのを皮切りに、サッポロビール、アデランス、ブルドックソース、明星食品(現日清食品ホールディングス)、江崎グリコ、シチズン時計など、有名無名にかかわらず四十銘柄ほどの大株主に登場。経営陣に資産の有効活用を“アドバイス”したり、内部留保を配当に回すよう要求。聞き入れないと見るや、突然、TOB(株式公開買い付け)を宣言し、企業を震え上がらせてきた。

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