ようやく示された新保育制度「絵に描いた餅」を防ぐには?

執筆者:渥美由喜 2009年4月号
カテゴリ: 経済政策・社会保障
エリア: 日本

 今回は、最近、厚生労働省が公表した「新保育制度」について論じたい。 まず、新保育制度は大きく三つの点で、現行制度の改善が期待できる。 第一に、親が保育所を選べるようになる。現行制度は、保育サービスの「配給制」だ。保護者が「認可保育所」の利用を希望する場合、市町村に入所希望を提出し、割り当てられた保育所に子どもを預けるしかない。 これに対して新制度では、市町村が保育を必要と判断した子どもの親に認定証明書を交付する。保護者は証明書を持って、自宅や最寄りの駅に近いなど、希望の保育所に直接申し込めるようになる。必ずそこに入れるとは限らないが、保育所間の競争を促して質を高めるほか、保護者の要望に応えやすくする狙いがある。 第二に、保育所がより公平に取り扱われるようになる。新制度では全国一律の最低基準を満たす施設はすべて認可保育所となり、今後、都道府県は最低基準を満たしていれば自治体の財政上の理由では不認可とすることができなくなるのだ。このため、保育所の増加につながることが期待できる。 第三に、利用対象者が広範になる。現行制度においては、両親が共に昼間に一定時間以上働いている場合を想定して基準を設けている。したがって、早朝や深夜に働く親、短時間就労の親、求職中の親は利用できないという弊害があった。

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