酉島製作所の巨大ポンプが「海水淡水化」を支える――水の世界をリードする日本の「膜」技術 3

執筆者:船木春仁 2009年4月号

 過去最悪の旱魃被害が続くオーストラリア。ケアンズやゴールドコーストなど日本人にもなじみのリゾート地があるクイーンズランド州でも水不足が深刻化している。そうしたなか昨年十一月三十日、州都ブリスベンから南に一〇〇キロのニューサウスウェールズ州との州境に近いゴールドコースト市で、「淡水化の日」と銘打ったイベントが開かれた。 様子を伝える関係機関のホームページを見ると、「Gold Coast Desalination Plant First Water」という看板の前で、赤いジャンパーのような服を着た女性が、右手でグラスを掲げてほほえんでいる。クイーンズランド州初の女性首相であるアナ・ブライだ。掲げているグラスには、海水淡水化プラントから造られた水が入っている。 州政府と地元市が共同で建設を進めていた海水淡水化プロジェクト。逆浸透(RO)膜に海水を透過させる方式で、一日当たり一二万五〇〇〇トン、ゴールドコーストからブリスベンにかけての三〇〇万人に生活用水を供給する。RO膜方式の淡水化プラントとしてはオーストラリア最大だ。今年二月二十六日には本格稼働を始め、テレビ局はローカルニュースで、「初日は三三%ほどの造水実績だったが、四週間で一〇〇%稼働に入る」という公社職員のコメントを伝えている。

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