失業激増の中国で繰り広げられる「別次元」の闘争

執筆者:藤田洋毅 2009年4月号
エリア: アジア

広東省では失業率が二五%にも達したとの内部情報も聞こえる中、権力闘争は相も変わらぬ激しさだ。まるで別世界のように……。 中国の大産炭地、山西省の屯蘭炭鉱で二月二十二日に「特別重大ガス爆発事故」が発生、七十八人が死亡した。 同省では昨年九月、鉱山のボタ山が崩れて二百五十四人が犠牲になる大事故があったばかり。同年一月に職に就いた孟学農省長が辞任を余儀なくされた。孟は二〇〇三年一月に北京市長に就任、直後の春に中国を席捲した新型肺炎SARSへの対策の遅れの責任を取り辞任している。孟は胡錦濤総書記に近い「団派(共産主義青年団出身幹部)」の有力メンバー。市長辞任後も胡らの庇護を受け、満を持して“表舞台”に復活したばかりだっただけに、「運気がよほど悪い」と噂されたものだ。

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