「せんべい大王」も参入した中華圏のメディア再編

執筆者:八ツ井琢磨 2009年4月号
タグ: 台湾 香港 中国
エリア: アジア

 景気後退で香港と台湾をまたぐ放送業界再編が進んでいる。口火を切ったのは台湾系食品大手、旺旺集団オーナーの蔡衍明氏(五二)。中国本土での米菓事業で財を成し、「せんべい大王」の異名を取る。昨年末に経営が悪化していた台湾の中時媒体集団を買収し、メディア業界に本格参入した。中時媒体は傘下にテレビ局二局や日刊紙二紙を擁する与党・国民党寄りの大手メディアグループだ。 さらに、二月下旬には香港へ触手を伸ばし、地上波テレビ局ATVの株約二三%を取得し、経営参加を果たした。今後は出資比率を五割近くにまで引き上げる意向とも伝えられる。

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