国軍や警察の暴走で不穏なアチェに逆戻り

2009年5月号
カテゴリ: 国際

 インドネシア総選挙は四月九日に投票されたが、スマトラ島最西北端のアチェ特別州で、元独立派武装組織「自由アチェ運動(GAM)」を母体とする地方政党「アチェ党」への暴力事件が続発、国軍や警察など治安組織の関与が取り沙汰されている。 昨年から総選挙の選挙運動期間中にかけて、同州ではアチェ党に対する暴力事件が五十五件に上り、そのうち二十五件は党関係者の射殺、党施設や関係者宅への放火や手榴弾投げ入れなどで、四月四日には同州ランサで党幹部が射殺されている。この幹部はGAMの地元司令官だった人物で、アチェ党関係者は「わが党に対する組織的妨害工作。警察に通報しても捜査すらしない」と反発。 同州はユドヨノ政権下で和平に合意し、GAMは独立を放棄したものの、国軍や警察の内部には「スハルト政権以来戦って来た相手が堂々と選挙運動するのは許せない」との不満が燻っており、暴力事件の背後では治安部隊が暗躍、治安不安定化を名目に「GAM殲滅」を画策しているとの見方が有力視されている。

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