国内市場は望み薄でドコモが海外投資を加速

2009年5月号

 NTTドコモが海外の通信会社への出資を加速させている。 ドコモは昨年、バングラデシュの携帯通信事業者「TMIB」の発行済み株式の三〇%を取得したほか、インドのタタ財閥系の通信会社に約二千六百億円を投じて世界第二位の利用者を誇るインド市場への参入を決定した。 ドコモには、一九九〇年代後半以降、米携帯大手のAT&Tワイヤレスなど海外通信会社に相次いで出資したものの、巨額の投資損を出して撤退した手痛い記憶がある。今回は、慎重に吟味して提携相手を探ったと自信を示す。 矢継ぎ早に海外展開を進める背景には、携帯電話の契約数が一億件を突破した国内市場の飽和状況がある。携帯会社ももはや国内では大幅な収益拡大は見込めないが、より深刻なのは、需要が落ち込み経営が厳しい携帯端末メーカーだ。 ドコモが採用する次世代の携帯電話規格「LTE方式」は国際標準になることが有力視されている。通信速度が大幅に高速化し、国内の高機能端末が海外進出する好機とされるが、その効果が出るのは数年先の話。それまで端末メーカーの体力が持つかは未知数だ。

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