ミサイル対処で生じた「三つの不協和音」

執筆者:半澤尚久 2009年5月号
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 北米 朝鮮半島 日本

日本側での二つの「軌み」はいつもながら。それ以上に厳しい現実は、日米同盟間の不協和音だった。そこへロシア機が飛来――。 四月五日午前十一時三十分、北朝鮮は長距離弾道ミサイル「テポドン2号」を発射した。自衛隊のオペレーションは前日の「発射誤情報」問題を感じさせないほど順調だった。発射の一分後から防衛省地下三階の中央指揮所には自衛隊のレーダー情報が集約されていった。 ミサイルを最初に探知したのは海上自衛隊のイージス艦と航空自衛隊の地上レーダーだ。日本海に展開していた「こんごう」、千葉県と鹿児島県に配備された新型のFPS-5レーダー、秋田県にある旧式のFPS-3改レーダー。この四つがほぼ同時に航跡を捉えた。 同じ時刻、発射時の赤外線を探知した米軍の早期警戒衛星の情報も入った。早警情報は「北米航空宇宙防衛司令部太平洋軍司令部在日米軍司令部防衛省」のルートでもたらされる。自衛隊のレーダーがミサイルを発射直後から捕捉したため、早警情報が第一報という常識を覆し“同着”を果たした。 エンジンの燃焼が終わり、速度と弾道が安定した段階で着弾予測地点も特定。一段目ブースター(推進エンジン)も二段目以降も日本領土・領海に落下する恐れはなく、迎撃の選択肢は消えた。

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