インテリジェンス・ナウ
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対米強硬路線を続けるボリビアの「戦略資源」

春名幹男
執筆者:春名幹男 2009年6月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中南米

 四月中旬、トリニダード・トバゴの首都ポートオブスペインで開かれた米州機構首脳会議。反米「資源ナショナリズム」の南米左派政権首脳が勢揃いした。 チャベス・ベネズエラ大統領はオバマ米大統領と「友達になりたい」と笑顔で握手。コレア・エクアドル大統領は「米国の新政権を好意的に見ている」と語り、反米ムードが一変した。 だが、ボリビアのモラレス大統領は全く違っていた。「ボリビアでは(米国の)陰謀政策が続いている」と非難したのだ。 この間開かれたオバマ大統領と南米諸国連合(UNASUR)の十二カ国首脳との非公開の会談では、オバマ、モラレス両大統領が刺々しく応酬し合った。 日本では報道されなかったが、AP通信によると、モラレス氏がまず「私への暗殺計画を公式に放棄せよ」と迫った。これに対してオバマ大統領は「私はそんな計画を知らないし、米政府は関与していない。選挙で選ばれた政府への暴力行使を私は認めない」と切り返した。 実は、首脳会議直前の四月十六日午前四時、ボリビア最大の商業都市サンタクルスで、血なまぐさい奇妙な事件が起きていた。国家警察の特殊部隊「デルタ・グループ」がホテル・ラスアメリカス四階の部屋を急襲、三人を射殺したのである。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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