外国人力士をめぐる「経済」と「教育」の問題

執筆者:生島淳 2009年6月号
カテゴリ: スポーツ

 五月十日から、大相撲の五月場所が始まっている。三役以上の力士を見てみると、十一人中六人を外国人力士が占める。 二〇〇七年には巡業をサボってモンゴルに帰国したことに端を発した「朝青龍問題」、そして昨年九月には露鵬、白露山のロシア人兄弟が尿検査を受けた際に、大麻に陽性反応を示したことから、外国人力士のあり方が議論されてきた。 外国人力士について考える場合、「経済」と「教育」を抜きにしては考えられない。 〇九年四月現在、海外出身の力士は十二カ国、五十五人に上る。複数の力士を出している国は、モンゴルが三十四人、ついで中国が六人と続き、ロシア、グルジアが三人ずつ、ブラジルが二人となっている。 三十人以上の力士を出しているモンゴルは一大勢力と言ってよい。日本の都道府県別の出身地を見ても、東京五十人、大阪四十六人、愛知四十二人には及ばないものの、かつては名力士が輩出した北海道の十七人、青森の二十六人を大きく上回っている。 しかもモンゴル出身力士のうち、十三人は日本相撲協会から給料のもらえる“関取”だ。相撲部屋の運営という経営的な視点から見ると、すでにレスリングやモンゴル相撲で一定の成績を残している外国人力士は早い出世が見込めるので、日本の十代の若者を一から育てるよりも効率が良いのだ。

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執筆者プロフィール
生島淳 1967年生れ。広告代理店勤務を経て93年よりライターとして活躍。著書に『大国アメリカはスポーツで動く』(新潮社)など。
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