都庁「ワッペン騒動」で炙り出された「下水道局のドン」

執筆者:大場亮 2009年6月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

「バカじゃねえか、ホントに。くだらねえ完全主義だ」 東京都の石原慎太郎知事が久しぶりにほえた。四月十日の定例記者会見。都の下水道局で持ち上がった「ワッペン騒動」を受けてのことだ。 役人への厳しい発言が多い石原都知事。いつもなら「またか」という思いで眉をしかめる都庁職員たちも、このときばかりは「よく言ってくれた」と拍手喝采だった。というのも、この騒動の背景には、下水道局内部の知られざる暗闘があったからだ。「ワッペン騒動」とは、下水道局が昨年、三十年ぶりに新調した制服の右胸に付けられたワッペンをめぐるものだ。「東京都下水道局」の文字の下に、清い水の流れをイメージした水色の波線が一本入っていたが、都のデザイン表記を定めたマニュアルに違反していることがわかり、総額三千四百万円余りもかけて、約二万着分のワッペンをすべて作り直していた。血税を搾り取られている都民にすれば、何とも呆れた話だろう。「税金に慣れたお役所っていうのは怖いね」。石原都知事のこの言葉に、溜飲を下げた方も多いのではないか。石原都知事が異例の処分 都の下水道局では、このワッペン騒動だけでなく、不祥事が相次いでいる。昨年八月には、下水道工事中の作業員五人がゲリラ豪雨によって流され死亡する事故が発生。事の重大性に気付かず対応が遅れた下水道局は、大きく批判を浴びることになった。

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