オバマが目指す「鉄道網整備構想」の未来

執筆者:ルイス・ジェイコブソン 2009年7月号
エリア: 北米

環境保護と失業対策の両面から鉄道に目を向けるオバマ政権。アメリカは車社会から脱却することができるのか。[ワシントン発]アメリカは言わずと知れた車社会である。だが今年、「ビッグ3」と呼ばれた三大自動車メーカーのうち、ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが破綻した。アメリカの交通事情に変化をもたらしているのは、そればかりではない。今、鉄道網整備の新たな波が起きる兆しがあるのだ。 鉄道には、大別して二つのタイプがある。ひとつは、コミューター鉄道。ある都市圏で住居と職場を結ぶ通勤路線だ。たとえば、首都ワシントンとその周辺の鉄道・地下鉄網。近年、これら既存の鉄道の利用者がかつてなく増えていることに加えて、コミューター鉄道の新設や拡充の動きが活性化している。 もうひとつは、都市と都市を結ぶ高速鉄道。東海岸のボストン―ニューヨーク―首都ワシントンを結ぶ路線、あるいは西海岸のサンフランシスコ―ロサンゼルス―サンディエゴを結ぶ路線がこれに当たる。 後者のタイプの時速百四十キロ以上(それでも日本の新幹線の半分以下の速度)の高速長距離鉄道網を広げようというのが、オバマ政権の最優先課題のひとつである。その第一歩として、大統領は政権発足直後に可決した景気刺激策からの八十億ドルに加えて、今後五年間で一般予算から五十億ドルを追加することを決めた。ただし、最終的にどれほどの予算が必要となるかは定かでない。

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