ラトビアで国債入札失敗 財政不安が広がる欧州で「不況下増税」の現実味

2009年7月号
エリア: ヨーロッパ

 日本では消費税の導入や引き上げが、時の政権を揺さぶってきた。その記憶は政界関係者に染みつき、いまでも将来の増税をどこまで有権者に示すかで与党が揺れる。だが、増税を議論するだけでもめる日本は欧州から見ると悠長に見えるだろう。なぜなら欧州は、この不況下に増税を強行せざるを得ないかも知れないからだ。 六月上旬、欧州の市場ウォッチャーに激震が二つ走った。一つ目はバルト海に面した小国ラトビアでの国債が応札ゼロで入札失敗に終わったこと。そしてもう一つが米国の格付け会社、S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)によるアイルランドの長期ソブリン格付けの「AA」への引き下げだ。景気が底入れし、欧州でも危機が遠のいたとの観測が広がっていた矢先の出来事だった。「欧州の財政は大丈夫か」。そんな市場の心配を各国政府は無視できない。不安が高まれば、金融危機が再燃しかねないからだ。欧州政界や各国の中央銀行関係者からは「(危機対策からの)出口戦略」「財政規律」「債務圧縮」という言葉が出てくるようになった。ロイター通信によると、欧州中央銀行の理事会メンバーであるベルギー中銀のクアデン総裁は六月九日、「経済活動が著しく改善した場合は出口戦略が不可欠になる」と利上げの必要性を訴えた。

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