景気低迷でも高成長 フィリップスが力を入れる“在宅医療機器”市場

2009年7月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: ヨーロッパ

 オランダの家電メーカー、フィリップスが、医療機器事業の強化に乗り出した。液晶テレビやDVDプレーヤーのイメージが強い同社だが、抜本的なM&A(企業の合併・買収)を繰り返した結果、利益面ではすでに医療機器が主役になっている。 同社が「ヘルスケア」と呼ぶ医療機器部門の中でも、特に注力しているのは各種の在宅医療向け機器だ。たとえば、血圧や心拍数などの数値を自宅に置いた機器から送る在宅モニター装置や、喘息など呼吸器障害のための家庭用機械式換気装置、睡眠時呼吸障害治療器など。世界的な景気低迷で、病院など法人向けの大型検査装置が伸び悩んでいるが、これからの分野である家庭向けは順調に成長しており、不況下でも一〇%前後の伸びが期待できるという。 フィリップスの売上高は二〇〇九年一―三月期に前年同期比一五%減の五十億七千五百万ユーロ(約七千億円)と大きく落ち込んだ。液晶テレビなどのコンシューマー・ライフスタイル部門は同三三%減、照明部門でも同一五%減だったが、唯一、ヘルスケアは同一八%増の十七億四千百万ユーロだった。同社は業績不振で人員削減を含むリストラを断行し、成長の牽引役だったM&Aも抑制する方針を決めたが、ヘルスケアは別格扱い。日本やブラジル、中国など、市場が大きく、フィリップスのプレゼンスが弱い地域での企業買収を狙っている。特に日本は高齢化が進み、在宅介護への関心も高まっているため、潜在市場として、M&Aを含めた事業強化の重点地域になっているとみられる。

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