インテリジェンス・ナウ
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オバマとネタニヤフが合意する「あらゆるオプション」とは

春名幹男
執筆者:春名幹男 2009年8月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: 中東 北米

 オバマ米大統領とネタニヤフ・イスラエル首相の首脳会談が五月十八日、ホワイトハウスで行なわれた。 実はその二週間前、パネッタ米中央情報局(CIA)長官が大統領の命令を帯びて、密かにイスラエルを訪問、ネタニヤフ首相と会談していた。「米国への通告なしに、イスラエルはイランを攻撃しない」という言質をイスラエル側から取るのがこの極秘訪問の目的だった、とイスラエル紙や英紙が伝えている。 パネッタ長官は米通信社との会見で、「ネタニヤフ首相はイランを攻撃しない、と確信しているか」と質問されて「イエス」と答えている。「イスラエルが単独で(イラン攻撃を)行なえば、大問題になることを首相は理解している」とも長官は語った。 首脳会談で両首脳がイランの核開発問題で出した結論は、あらゆる選択肢を残す、ということだった。記者会見で、オバマ大統領が「米国は広範な措置を排除しない」と述べると、ネタニヤフ首相は「あらゆるオプションをテーブルに残すとの大統領の表明を評価する」と語った。 だが、そんな曖昧なことで両者が手を打つことはないだろう。「あらゆるオプション」の中に、何らかの具体的な措置が含まれているはずだ。 イスラエルは、ブッシュ前米大統領に対しては、イラン中部のナタンツにあるウラン濃縮施設を爆破するために必要だとして、(1)地下深くまで貫通する特殊貫通弾(バンカーバスター)の供与 (2)米軍が管理するイラク上空の飛行許可――を求めた。だがブッシュ氏はこれを拒否していた、とニューヨーク・タイムズ紙が今年初めに暴露した。その代わりに、ブッシュ前大統領はイラン核開発計画を妨害する秘密工作を承認し、米国は実際に二〇〇八年初めから工作を展開していたというのだ。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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