経済の頭で考えたこと
経済の頭で考えたこと(18)

「大国イラン」変貌の余波を凝視せよ

田中直毅
執筆者:田中直毅 2009年8月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: 中東

 初代のホメイニに匹敵するだけのカリスマをもちえない最高指導者ハメネイにとって、バランスの維持だけがイランの革命体制の持続を保証するものと映っていたのだろう。二〇〇五年の大統領選挙に続いて今回もアフマディネジャドの支援に回ったのも、それが理由のはずだ。なぜならラフサンジャニとハタミという二代続いた穏健派大統領のもとで貧富の差が拡大してしまった以上、宗教上の教義を立国の基本に置くイラン革命体制を崩壊させないためには、高騰した原油代金からのあがりを貧者にバラ撒くという路線にとって代るものを想起できなかったからである。

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執筆者プロフィール
田中直毅 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。
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