饗宴外交の舞台裏
饗宴外交の舞台裏(139)

「現職」をしばし忘れたオバマ大統領“パリの休日”

西川恵
執筆者:西川恵 2009年8月号
カテゴリ: 国際
エリア: ヨーロッパ 北米

 オバマ米大統領は六月初旬、サウジアラビア、エジプト、ドイツ、フランスの四カ国を歴訪したが、最後のフランスで家族が合流し、短い“パリの休日”を楽しんだ。 五日夜、大統領はエアフォースワンでドイツからパリに到着。宿舎の米大使公邸で待つミシェル夫人、マリアさん、サーシャさんの二人の娘、夫人の母親ロビンソンさんの四人と合流した。ミシェル夫人ら母娘たちは同日、一足先にワシントンからパリ入りし、エッフェル塔に上り、パリ市内を観光していた。 翌六日朝、オバマ大統領夫妻はノルマンディー上陸作戦六十五周年の記念行事出席のため、ヘリコプターで仏北西部のノルマンディーに飛んだ。 海岸を望む米兵墓地で行なわれた式典には、サルコジ仏大統領のほか、英国からチャールズ皇太子とブラウン首相、カナダからハーパー首相ら首脳が参列。オバマ大統領は「当時、連合国はすべてでは一致していなかったが、全体主義を防ぐという目的は共有していた」と述べ、上陸作戦を現在のアフガニスタンなど国際的な懸案に重ね、各国の協調を呼び掛けた。 式典前、米仏首脳会談が行なわれた。仏大統領と臨んだ記者会見で、記者団から「会談以外、二国間の公式行事がない。米大統領にとって欧州の優先順位は低いのか」と質問が飛んだ。「日程が許さなかっただけだ。パリは休暇の場所として最高で、私は現職大統領であることをしばし忘れたい」と米大統領。

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執筆者プロフィール
西川恵
西川恵 毎日新聞客員編集委員。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、論説委員を経て、今年3月まで専門編集委員。著書に『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、本誌連載から生れた『ワインと外交』(新潮新書)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。本誌連載に加筆した最新刊『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)が発売中。
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