イラン革命の元勲ラフサンジャニ師が見据える「真の敵」

執筆者:久保健一 2009年9月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中東

[テヘラン発]六月十二日に行なわれたイラン大統領選の結果をめぐり、保守・改革両派間の緊張状態が続く中、事態を静観していた同国政界のナンバー2、ハシェミ・ラフサンジャニ師(七四)が動き始めた。その真意について、さまざまな観測が交錯しているが、イラン革命の指導者ホメイニ師の副官として、自ら育てたイスラム革命体制の護持に、残りの政治生命を賭けているようだ。 同師が、選挙後一カ月にわたる沈黙を破ったのは、七月十七日にテヘラン大学で行なわれた金曜礼拝だった。「(選挙の)疑惑を取り除くため、行動を起こす必要がある」などと語り、疑惑の幕引きを宣言したアフマディネジャード大統領(五二)を批判したのだ。 ラフサンジャニ師は選挙戦後半から、改革派有力候補のムサビ元首相の支持に回ったとされる。その経緯からすれば、「改革派支持」を鮮明にしたと受け止められるこの発言は予想の範囲内といえる。 一方で、「政府も国民も法の枠内で行動すべきだ」と述べ、改革派側にも自制を促す発言もした。しばしば指摘されるオポチュニスト(日和見主義者)としての側面を露呈したかに見えるが、その裏には、同師の首尾一貫した「革命体制護持」という戦略目標が透けてみえる。

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