ターゲットを絞り込んだインドネシア・テロの新たな戦術

執筆者:竹田いさみ 2009年9月号
エリア: アジア

 夏休みにもかかわらず、バリ島やジャカルタへの外国人観光客数が急減している。インドネシア政府は日本や韓国、豪州などで緊急観光キャンペーンを展開しているが、七月十七日にジャカルタ市内の米系高級ホテル二軒が爆破されたことで、観光客の足が遠のいているのだ。金曜日の朝食時間帯を狙った今回のテロにより、九人が死亡し、重軽傷者は五十人を超えた。 インドネシアでは二〇〇二年から〇五年にかけて毎年、爆弾テロが起こされた。だが、今回は特定の施設や人物をピンポイントでターゲットにしており、これまでと根本的に異なる。

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執筆者プロフィール
竹田いさみ(たけだいさみ) 獨協大学外国語学部教授。1952年生れ。上智大学大学院国際関係論専攻修了。シドニー大学・ロンドン大学留学。Ph.D.(国際政治史)取得。著書に『移民・難民・援助の政治学』(勁草書房、アジア・太平洋賞受賞)、『物語 オーストラリアの歴史』(中公新書)、『国際テロネットワーク』(講談社現代新書)、『世界史をつくった海賊』(ちくま新書)、『世界を動かす海賊』(ちくま新書)など。
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