過熱するシェア争いで サッポロビールの身の振り方

2009年9月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 キリンホールディングス(HD)とサントリーHDが統合交渉を始めたことで、サッポロHDの身の振り方に注目が集まっている。交渉が成就すれば、両社でビール類のシェア五〇%近くを占めることになるため、業界四位のサッポロはますます地盤沈下しかねないのだ。 ビールはシェアがモノを言う内需型の装置産業。シェア拡大で利益が増えれば広告宣伝費や販売網を強化でき、ますます売れるようになる。が、売れ行きが落ちると工場の維持費用や人件費の割合が膨らみ、歯車は逆に回り始める。 そもそもビールの国内市場は、少子高齢化の進行に加え、乾杯の席でもビールにこだわらない若者が増えたことなどから縮小している。シェア争いは過熱する一方だ。 ところが、サッポロは起死回生を狙った「第三のビール」で成功したものの、発売から一年後には、宣伝力と販売力に勝るキリンに抜かれた。サッポロがジリ貧状態から脱する手段は、事実上、八年連続でシェアトップの座を守るアサヒビールと手を組むことしかない。アサヒにしても、キリン・サントリー連合が実現すれば、首位の座を明け渡すことになる。「アサヒとサッポロは、戦前の大日本ビールから分割された同根。サッポロがスティール・パートナーズに株を買い集められたときもアサヒとの合併が囃された。アサヒは『合併してもメリットがない』、サッポロは『企業文化が違う』と強調するが、合併でもしないと対抗できなくなる」(アナリスト)

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