指導者は海外流出「お家芸」シンクロの危機

執筆者:生島淳 2009年9月号
カテゴリ: スポーツ

 八月上旬までローマで開催された水泳の世界選手権で、日本はお家芸ともいえるシンクロナイズドスイミングでメダルゼロという結果に終わった。 五輪、世界選手権でメダルを一つも獲得できなかったのは日本のシンクロ史上初。これまで競技力だけでなく、小谷実可子、奥野史子といったタレント性豊かな選手を生んできたが、急激な地盤沈下が顕著だ。 シンクロは一八九一年にドイツで大会が行なわれた記録が残っており、当初は男子のスポーツで、「ウォーターバレエ」と呼ばれ芸術性が重んじられた。その後、アメリカ大陸に渡って発展し、女性のスポーツへ。「シンクロナイズドスイミング」という名称が初めて登場したのは一九三四年のシカゴ万博で、水中バレエ・ショウ「モダン・マーメイズ」が紹介された時のことだ。 日本への伝播は五四年で、在日米軍の慰問のために来日した全米選手権優勝チームが東京・神宮プールで演技を披露。ここから日本のシンクロの歴史が始まる。 五輪の正式種目に採用されたのは八四年のロサンゼルス五輪から。 ロサンゼルス五輪から九六年のアトランタ五輪まではアメリカ、カナダ、日本がメダルを独占した。しかし、その勢力地図に変化の兆しが現れる。

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執筆者プロフィール
生島淳 1967年生れ。広告代理店勤務を経て93年よりライターとして活躍。著書に『大国アメリカはスポーツで動く』(新潮社)など。
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