【ブックハンティング】アフリカの現在を覆う「暴力」と「グローバリズム」

執筆者:中井良則 2009年9月号
カテゴリ: 国際 書評
エリア: アフリカ

 サハラ以南のアフリカ大陸には四十八の国がある。こうした国々を取材する日本人の常駐特派員は何人いるだろう。 たった四人だ。毎日、朝日、読売の新聞三社と共同通信が一人ずつ特派員を出している。 アフリカのニュース価値。アフリカへの関心。アフリカと日本の距離。それらの希薄な関係を「四人」という数字が象徴している。私たち日本人がいだくアフリカのイメージは多かれ少なかれ、この四人の記事に依存することになる。 その四人の中の一人になれば、ジャーナリストとして幸運と考えるか、途方にくれるか。白戸圭一著『ルポ 資源大陸アフリカ 暴力が結ぶ貧困と繁栄』は毎日新聞ヨハネスブルク特派員が二〇〇四年四月から〇八年三月まで四年間、アフリカを歩き回った現地報告だ。 二十四カ国に出張し、四年間の任期中、一年間は自宅以外で寝ていたという。本書では、南アフリカ、モザンビーク、ナイジェリア、コンゴ(旧ザイール)、スーダン、ソマリアの六カ国をまとめた。 日本の「アフリカ本」にはいくつかのパターンがある。遠いアフリカ大陸でこんなに変わった暮らしや景色があるという「秘境もの」。飢えや病気で人々はこれほど苦しんでいるという「悲惨もの」。労働者や資源を搾取する富裕層や先進国の大企業を批判する「告発もの」。

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