「多様な働き方」への転換は可能か

執筆者:柳川範之 2009年9月号
エリア: ヨーロッパ 日本

金融危機以降、日本でも雇用情勢が悪化し続けている。今こそ国の将来を見据え、雇用政策を抜本的に見直すべきだ。 今の会社や仕事では、働き場所がない。けれども、将来が不安だからこのまま今の会社に居続けよう。こう考える日本人は意外なほど多い。急激な景気悪化で、この傾向はむしろ強まっている。しかし、このような社会が本当に活力のある豊かな社会といえるのか。同じ会社で働き続けることが、本当に幸せと将来の安心を保障するのだろうか。 会社で働くことだけではない。生き方そのものも、皆と同じ単線的で窮屈な生き方を多くの日本人は選んでいるようにみえる。決まったレールの上を走り、そこから一歩でもはずれると人生が終わりと感じる生活は窮屈このうえない。そんな働き方で、果たして魅力的な人生がおくれるだろうか。そこから豊かなイノベーションが生まれるだろうか。 個人にとっても社会にとっても、働き甲斐のある場所で、働き甲斐のある仕事をすることが、やはり一番ではないか。単に大学卒業時点で就職できたという理由だけで、能力が十分に発揮できない場所に留まり続けるのは、本人にとっても経済全体にとっても大きな損失だ。そして社会が大きく変化していることを考えると、人々の働き方も当然変化していかざるを得ない。適材適所は時とともに変化するのだ。そうであれば、その変化に応じて働き場所や仕事が変えられるようにすべきであり、新しく必要とされる知識や能力を迅速に身につけていく必要があろう。

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