所変われば品変わる。就職活動、ワークライフバランスへの取り組みなど、ヨーロッパの「働き方」最新事情。[ブリュッセル発]一九九〇年代半ば、私がドイツの大学に入った初日のこと。希望に目を輝かせる十七、八歳の新入生に対して、大学教授がシビアな口調でピシャリと言った第一声が、今でも強く印象に残っている。「まず言っておきます。大学卒業後の将来図ですが、普通に過ごしていたら、就職口はないと思ってください。私の同級生数人は現在、タクシーの運転手として生活費を稼ぎ、数人は失業中です。皆さんは大学に勉強に来たわけですが、これからの数年間、学校の課題だけに追われる、受け身の姿勢ではいけません。大学はその後の人生の設計図を描き、戦略を練る時期でもあるのです。あなた自身の人生なのです。待っているだけでは将来はありません」
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