ミャンマーと中国のきしみ 背後にあるのは麻薬利権

2009年10月号
カテゴリ: 国際

 来年に総選挙を控えたミャンマーで、軍政による国内少数民族への攻撃が八月末から激化。北東部シャン州コーカン地区では、政府軍がコーカン族の武力制圧を本格化させ、国境を越えて中国雲南省に避難する住民が急増している。 ところが、雲南省政府が難民に食糧などの人道援助をしていることにミャンマー軍政が反発。非公式ながら「コーカン族避難民は反政府勢力であり、保護せず強制送還せよ」と警告する事態となっている。 コーカン族はもともと中国から移民した漢民族で、省政府の人道支援は「同じ漢民族」への支援。これに軍政が抗議する背景には、国境地域での麻薬利権が関係していると指摘される。 タイ、ミャンマー、ラオスの三カ国が接する「黄金の三角地帯」に代表されるミャンマーの国境地帯は麻薬の一大生産地。国際社会には「麻薬撲滅」を宣伝する軍政だが、実際は少数民族の麻薬取引を奨励し、資金源にしてきた。近年タイ経由の麻薬密輸ルートがタイ当局の摘発などで先細るなか、注目を集めていたのが雲南省ルート。コーカン族武装勢力には武器や弾薬も流れており、省政府によるミャンマー避難民支援の裏には、麻薬生産地と密輸ルートに関心を持つ中国の思惑もあるとの見方が有力だ。

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