米食肉業者が大喜びした天皇陛下「ハワイの午餐会」

2009年10月号
カテゴリ: 国際 社会
エリア: 北米 日本

 民主党政権の発足で、牛丼チェーンの苦境が続きそうだ。民主党はマニフェストの中で、牛海綿状脳症(BSE)の全頭検査に対する国庫補助の復活や、国際食品調査官(仮称)の派遣による輸入検疫の強化を公約している。いずれも、米国産牛肉を締め出す狙いがあり、牛バラ肉の調達を米国に依存している吉野家などにとっては死活問題だ。 BSEは発症まで長い潜伏期間があり、病原体(異常プリオン)の蓄積が不十分な若い牛は検査をしても感染の有無を判断できない。このため内閣府の食品安全委員会は「若い牛を検査から除外してもリスクは変わらない」という判断を示し、これを受けて米国は生後二十カ月以下の牛に限定して対日輸出を再開してきた。米国の食肉業者や牛丼チェーンはこの条件をさらに「三十カ月以下」に緩和することで実質的な全面解禁を目論んできただけに、民主党政権の誕生に焦燥感を強めている。 しかし、そんな彼らに思わぬ「朗報」があった。カナダ公式訪問の帰途、ハワイに立ち寄った天皇、皇后両陛下や首席随員の福田康夫元首相らに米国産牛肉が供されたのだ。七月十五日にハワイ州知事公邸で開かれた午餐会のメーンは、オアフ島産牛のショートリブなど四種類の牛肉。時期が時期だけに、米国の食肉関係者は「(米国産牛肉に対する)日本政府の暗黙の了解」と受け止め大喜びしているが、民主党はどう出るのだろうか。

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