“異業種”が主導権を握る発光材料競争――次世代の光源「有機EL」 2

執筆者:船木春仁 2009年10月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 業界人や企業アナリストなどには当たり前の話だが、一般にはあまり知られていないのが、石油元売りメーカーで事業構造の転換が徐々に進んでいることだ。石油や化学製品だけを売るのではなく、高機能の産業用素材やエレクトロニクス材料、バイオ関連製品などの高付加価値製品を生みだし、市場の拡大に取り組んでいる。 石油元売りメーカーが、減少する石油需要に対応するために多角化に乗り出したのは一九八〇年代の半ば。連結ベースで数兆円規模の売上高のなかでは、どの多角化製品の売上高も現時点では微々たるものだが、将来の“飯のタネ”への期待は強い。 次世代のテレビや照明の本命とされる有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)分野にも、異色で最有力の存在として石油元売りメーカーが進出している。出光興産だ。同社が供給する有機ELの発光材料は、一部のタイプに限れば世界シェアの半分を握っている。電気を流すと発光する有機EL材料の生成に、石油化学で培った高度な合成化学の技術が活用されているのである。 有機ELのものづくりは、大きく三つに分けられる。発光層をなす発光材料、発光層に電子(-)や正孔(+)を送り出す輸送層材料など有機ELの材料生成に関わる川上分野、有機EL材料をガラス基板などに定着させて発光パネルをつくる川中分野、照明やディスプレーとするために制御機器などを組み合わせて最終製品をつくる川下分野だ。

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