【インタビュー】ティモシー・ガートン・アッシュ(英オックスフォード大学教授) 「一九八九年の産物」である現代社会はどこへ向かうのか

執筆者:草生亜紀子 2009年11月号
カテゴリ: 国際 金融
エリア: ヨーロッパ

東西冷戦が終わった時、アメリカは戦勝気分に包まれ、「唯一の超大国」の地位に酔いしれた。しかし、冷戦後の新秩序は築かれず、世界はほどなく、故サミュエル・ハンチントン米ハーバード大学教授の言う「文明の衝突」に直面した。この二十年の経験から、私達は何を学ぶべきか。果たしてポスト「冷戦後の世界」を切り開くことはできるのか。[ワシントン発]一九八九年十一月九日、世界を米ソ二つの陣営に分断していた東西冷戦の象徴であったドイツ・ベルリンの壁が崩された。 自由を求めて西側になだれ込んだ東ドイツの人々と、大歓声でこれを迎えた西ドイツの人々は共に壁によじ登り、手にしたハンマーで、二十八年もの間、両者を隔ててきた分厚いコンクリートの壁を打ち破った。世界が息を呑んでテレビ中継を見守るなか、歴史の一ページがめくられた瞬間だった。 英オックスフォード大学のティモシー・ガートン・アッシュ教授は、ベルリンの壁崩壊に至る変革の嵐が吹き荒れた当時の東ヨーロッパを、リアルタイムで内側から目撃した。歴史学者としてのみならず、時にはペンネームを使って東ベルリンの状況を西側に伝えるジャーナリストとして、またある時はポーランドの独立自主管理労働組合「連帯」の集会で演説をしたり、チェコのビロード革命を率い、新生チェコの大統領となるバツラフ・ハベルに助言するなど、民主化運動の支援者として。そして、イギリス人の目で「内側」から見た激動の東欧を『We The People ― The Revolution of '89』に活写した。

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