ミャンマー軍政とスー・チーさん「四十五分会談」の伝わらぬ中身

2009年11月号
カテゴリ: 国際

 自宅軟禁中のノーベル平和賞受賞者でミャンマーの民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チーさんが十月三日、密かに軍政の閣僚と四十五分間の会談をしていたことが明らかになった。意図や背景などを巡り、国内外で大きな波紋が広がっている。 軟禁中の自宅から警察が警護する車列でスー・チーさんは政府庁舎に向かい、アウン・チー労相兼交渉担当相と会談した。会談は匿名を条件に政府関係者が人権団体関係者に認めたものだが、両者が何を話し合ったのかは伝わっていない。 スー・チーさんは自宅に潜入した外国人を宿泊させた容疑の裁判で有罪判決を受けるなど、軍政との関係は悪化していた。しかし、国際社会の一部が軍政に一定の理解を示し、経済制裁緩和の可能性を示唆するなどの状況の変化を受け、スー・チーさんは軍政トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長に書簡を送っていた。スー・チーさん率いる国民民主連盟(NLD)関係者によると、「国際社会の経済制裁解除に向け、(軍政と)新たな信頼関係構築の用意がある」との旨を伝えたのだという。 今回の閣僚との会談はこの書簡に対する軍政からの反応とみられ、膠着した軍政とスー・チーさんとの関係に何らかの進展があるのではないか、との憶測が飛んでいる。だが、十月下旬に行なわれる東南アジア諸国連合(ASEAN)の一連の会議で、ミャンマーの民主化問題が再び問題視されることを回避するための軍政のポーズに過ぎないとの見方が有力だ。

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