米軍撤退を喜ぶエクアドル左派政権

2009年11月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中南米 北米

 赤道直下、南米の小国エクアドル。太平洋に面した人口約二十万人のマグロ漁港の町マンタ郊外にある空軍基地に十年間駐留していた米軍が、九月十八日に撤退を完了した。ファンデル・ファルコニ外相は式典で「国家主権の勝利だ」と述べた。 米国は一九九九年、超インフレに苦しんでいた当時のエクアドル政権とマンタ基地を十年間使用する協定を結んだ。米国はこの年、エクアドルの隣国である親米コロンビアの麻薬対策「プラン・コロンビア」に対し、数十億ドルもの膨大な軍事援助を開始していた。 コカインを資金源とする左翼ゲリラ、コロンビア革命軍(FARC)に襲撃される心配の少ないマンタ基地は、FARC掃討の重要な拠点となった。さらに、ベネズエラのチャベス政権など南米各国に台頭した左派政権に対するくさびの役割も果たした。アメリカは九九年末にパナマ運河の管理権をパナマに移譲し、同国に駐留していた米軍は撤退することになっていたため、パナマに代わる中南米での新たな足がかりを求めていた。 二〇〇〇年には米ドルを自国通貨とするなど、親米政策を採ってきたエクアドルだが、経済難に国民の不満が爆発。〇六年の大統領選で左派ラファエル・コレア氏が勝利した。コレア氏は選挙戦の公約通り、マンタ基地の使用延長拒否を表明。〇八年十一月に外国軍の駐留を違憲とする新憲法を国民投票で可決した。

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