ふってわいた分割構想「埼玉りそな」の行く末は

2009年11月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

 金融庁の中で、ある計画が囁かれている。りそなグループから、グループ内で唯一の優良行とされる埼玉りそな銀を分離して上場させ、上場益をりそなグループの公的資金返済の原資に充てさせようというものだ。 りそなグループへの公的資金の注入総額は三兆円を超える。今年三月時点で一兆円超を返済したが、まだ二兆円ほどの返済額が残る。リーマン・ショックでグループの台所事情は苦しく、それゆえ冒頭の計画が出てきたようだ。現在のりそなホールディングスの時価総額は約一兆四千億円。そこから計算して埼玉りそな銀株の時価総額は三千億円程度になると見られているのである。 実は、りそな分割案には金融庁の別の思惑も絡んでいる。46ページの記事でも触れているように、金融庁内には、来年十月に合併を予定している新生銀とあおぞら銀に再び公的資金を注入しようとの考えも出ている。そこで、埼玉りそな銀を新生・あおぞら銀に合流させる案も浮上しているというのだ。 現在、金融機関に公的資金を入れることを認める法律は一つしかない。中小企業融資を後押しするため、主に地域金融機関への注入を念頭に制定された改正金融機能強化法だ。つまり、このアイデアは地銀の埼玉りそな銀を加えることで新生・あおぞら銀を地銀に衣替えして公的資金を注入するというウルトラCである。同法は二〇一二年三月までの時限措置だが、金融庁官僚の思い通りにことが進むのか。

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