「酒井法子」「飯島愛」がアジアで愛された理由

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2009年11月号
カテゴリ: スポーツ 国際

[台北発]今年八月に覚醒剤事件を起こした酒井法子と、昨年十二月に突然の孤独な死を遂げた飯島愛。この二人の日本人のニュースを、アジア社会は日本並みか、それ以上の関心をもって見守った。 酒井の覚醒剤所持・使用事件に対し、中国や香港、台湾の新聞は連日、大量の紙面を割いて報じ、逮捕や起訴は一面トップとなった。日本のニュースとしては破格の扱いだ。報道の総量は日本の政権交代も及ぶものではなかった。 酒井は間違いなくアジアで最も愛された日本人芸能人の一人である。一九八〇年代にアイドルデビューした酒井は九〇年代に入って積極的にアジア進出を図った。それまで栗原小巻と山口百恵が最も有名な日本人女優だったが、酒井の可愛らしい顔立ちのわかりやすい魅力はアジアを席巻し、あっという間に日本人でナンバーワンの地位を築いた。アジアを訪問する酒井をファンは必死に追いかけた。九一年当時、台湾に留学中だった私は、日本では一アイドルに過ぎない酒井への熱狂を奇異の思いで見た記憶がある。九二年には日本人歌手として台湾で初めて単独公演を実現。主演のドラマも各地で記録的視聴率を稼いだ。輝いていた日本「今週、香港の三十歳から四十歳にかけての男は、日本の女性スター、酒井法子のニュースを耳にするにつけ、心が痛み、砕けた」

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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