史上最大「上海万博」に日本企業がとびつく理由

執筆者:河崎眞澄 2009年11月号
エリア: 中国・台湾

 来年五月一日に開幕する上海万博まであと二百日を切った。昨年の北京五輪に続く国家的イベントは、一九六四年の東京五輪と七〇年の大阪万博に沸いた日本の高度経済成長期の記憶に重なる。北京五輪閉幕後に世界を襲った金融危機を中国は世界最速で抜け出し、今度は万博史上最大規模となる上海万博の成功に国家の威信をかける。 会場は上海市内を流れる黄浦江を挟んだ両岸の三百二十八ヘクタール。出展する国や国際機関などは優に二百四十を超え、百八十四日間の会期中、七千万人の入場者を見込んでいる。いずれも過去のどの万博をも上回る史上最大規模だ。 インフラ整備も急ピッチで進む。黄浦江の両岸にまたがる会場や周辺を結ぶ四本の橋と八本のトンネルが建設中。市内を走る地下鉄十一路線に加え、開幕までにさらに二路線を突貫工事で完成させ、総延長は東京を上回る四百キロ以上になる。市内の虹橋空港の第二ターミナルは年内にも竣工し、万博開幕までに供用が開始される予定。ホテルなど観光施設の建設、地下鉄や道路、空港整備などの工事ラッシュで、市内の渋滞は日に日に激化の一途をたどっている。 その上海万博事務局が、頼りにしているのは日本だ。過去五回の万博成功経験をもち、金融危機による資金不足でもたつく欧米を尻目に、政府、地方自治体、企業が厳しい経済環境ながらもこぞって協力する国は日本以外にはない。さらに海外から見込む入場者三百五十万人のうち、日本からを百万人前後と予想するなど、大切な「お客さま」でもある。

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