十年越しの合併劇の陰に住信「ワンマン会長」の凋落

2009年12月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

 十一月六日、住友信託銀行の常陰均社長と中央三井トラスト・ホールディングス(HD)の田辺和夫社長は、二〇一一年四月に経営統合し「三井住友トラストHD」を発足させると発表した。「十年越しの恋」(関係者)が実った背景には、ワンマン経営で「天皇」とさえ呼ばれてきた住信の高橋温会長の影響力の低下があったとみられる。 メガバンクの三井住友フィナンシャルグループ(FG)への吸収を避け、信託銀行としての独立経営を維持したい両行は、これまで合併や経営統合の交渉を繰り返してきた。〇五年春には経営統合発表の寸前まで行ったが、高橋会長が自行の主導権にこだわったため、破談になった経緯がある。その後、高橋会長のワンマン体制に不信感を強めた中央三井の田辺社長が「住信とは経営方針に大きな違いがあり、統合は考えていない」などと公言するまでに関係が悪化。中央三井側は「高橋会長が退かない限り、統合の再交渉はしない」(幹部)と断言するほどだった。 そんな両行が今回、統合合意にこぎつけたのは「これまで高橋会長が主導してきた三井住友FGへの対抗策の失敗が、今年の春以降に次々と露呈し、住信内部で常陰社長への権力移行が起きたため」(住信関係者)とされる。

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