インテリジェンス・ナウ
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タリバンとアル・カエダ“主敵”を見極められない米国

春名幹男
執筆者:春名幹男 2009年12月号
カテゴリ: 国際

「エルビス」 国際テロ組織アル・カエダの指導者オサマ・ビン・ラディン容疑者を追跡する米中央情報局(CIA)の専門家らは、彼にそんなあだ名を付けたという。 エルビス・プレスリーは死後も、世界各地から目撃情報が寄せられているが、すべてガセネタ。ビン・ラディン情報も誤報ばかりで、振り回されている。 ビン・ラディンが潜行しているとみられるパキスタンのアフガニスタン国境地帯。ここに、ビン・ラディンの動向を探るCIA要員や米軍特殊部隊員も駐在している。その数のべ五十―百人。その一人で作家に転身したアート・ケラー氏がメディアに登場し、現状を語り始めた。 実はこの工作では、CIA要員が直接、追跡作業に従事しているわけではない。実際の追跡はCIAからパキスタン軍情報機関、三軍統合情報部(ISI)に「アウトソーシング」している。ISIはパシュトゥン人スパイらを使ってビン・ラディンを追っているのだ。 ISI内にはイスラム原理主義者も多く、ISIによるビン・ラディン追跡の本気度が疑問視されてきた。ISIの本音を探るためか、CIAは最近、現地でISIとの連絡調整役をする要員に、既にCIAを退職した六十歳代の超ベテランを呼び戻し、採用し始めた。

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執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
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