江沢民の長男を院士選考で落とした中国科学院「骨太の原則」

2010年1月号
カテゴリ: 国際
エリア: 中国・台湾

「江沢民(前総書記)さんの、最後にして最大の悲願が打ち砕かれました。わが国の知識人も、なかなかに骨太でしょう」 中国共産党中央の幹部が誇らしげだ。二〇〇九年十二月四日付の人民日報(ネット版)によると、二年に一回、中国科学院院士を増補する最終選考の結果、江の長男の江綿恒・中国科学院副院長兼上海分院院長が落選した。中国科学院の路甬祥院長は「科学・客観・公正・公平の原則を堅持した」と説明。江の圧力を気骨ではねのけたことを強く暗示してみせた。 科学院は、技術分野における中国工程院と並び、自然科学分野の傑出した人材を網羅する国務院(中央政府)傘下の機構。この双方に認められた「両院士」は中国における最高の知識人を意味し、福利厚生などを含め、日本の学士院会員以上の栄誉を終身享受する。 報道を総合すると、院士らの推薦を受けた当初の候補者二百九十六人を八月末に百四十五人まで絞る予備選考があり、江綿恒は「情報技術科学分野」十八人のうち「光通信技術」専門家の資格でリストに残っていた。ところが、三人に絞られる最終選考の過程で「あっさり蹴られた。見るべき研究成果がないから、誰からも異論は出なかった。誰も口には出せなかったが、なぜ予備選考を通過したのか、ほとんどの院士が苦笑いを押し殺していた」と関係筋は明かしている。

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