割高でも利用が増える「微生物農薬」が農業を救う?

2010年1月号

 出光興産と住友化学、ガラスの製造・加工・販売を手掛けるセントラル硝子、日本で初めて人造肥料を開発した多木化学。この四社の共通点がおわかりになるだろうか。答えは、「微生物農薬」を手掛けている企業である。 自然界に存在する微生物の中には病原菌を殺す働きや人間にとって非常に有用なものがあり、微生物農薬は、こうした微生物や微生物が生産する物質を利用して植物病を抑制するもの。従来の化学農薬と比べた場合、(1)目的の病原菌を選択的に攻撃するため生態系を乱す恐れがない(2)作物に薬害がない(3)人畜・魚介類に対して害がない(4)病害虫や病原菌が抵抗性を持ちにくい(5)水・土壌・作物に残留しない――といった特徴を持つスーパー農薬だ。「食の安全」が言われて久しいが、特に中国産冷凍食品への農薬混入問題以降、農産物への使用農薬に敏感になっている消費者は多い。そこで「微生物農薬」が注目されているのだ。具体的には、希釈した溶液に稲の種子を浸すことで収穫量の大幅な減少と食味の低下を招くいもち病への感染を防ぐものや、アブラムシやカミキリムシといった害虫に寄生し、体内の水分や栄養を利用しながら増殖して害虫を死滅させるものなどがある。

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