ハシム家とサウド家「二人のアブドラ」

三井美奈
執筆者:三井美奈 2010年1月号
カテゴリ: 国際 文化・歴史 金融
エリア: 中東

 中東に君臨する七つの王室の中で、中東和平プロセスに大きな発言力を持つヨルダン、サウジアラビアの「二人のアブドラ国王」の存在感は際立っている。ヨルダンのアブドラ国王(四七)は、西欧型の開かれたロイヤルファミリーを志向する一方、サウジのアブドラ国王(八五)は政教一致の厳格なイスラム体制を貫く。両極端の道を歩む二人は、中東王室の二つの将来モデルでもある。
 四十歳近い年齢差がある二人は、いでたちからして全く違う。ヨルダン王は高級スーツを着こなし、サウジ国王は白いヘッドスカーフをかぶった民族衣装を崩さない。オバマ米大統領との初会談も対照的だった。ヨルダン王がホワイトハウスで机上に紅茶と書類のみというビジネスライクな会談だったのに対し、サウジ王は同国を訪問した大統領にいきなりヘソまで届く黄金の首飾りを贈呈し、同行記者団を驚かせた。ちなみに、アブドラはアラビア語で「神に仕える者」という意味で、イスラム教圏によくある名前だ。

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執筆者プロフィール
三井美奈 1967(昭和42)年、奈良県生まれ。産経新聞外信部編集委員。一橋大学社会学部卒。読売新聞ブリュッセル支局員、エルサレム支局長、ハーバード大学日米関係プログラム客員研究員などを経て、2011~15年パリ支局長。2016年10月から現職。著書に『安楽死のできる国』『イスラエル―ユダヤパワーの源泉―』『イスラム化するヨーロッパ』など。
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