【ブックハンティング・インタビュー】 グウィン・ダイヤー(軍事アナリスト・ジャーナリスト) 「地球温暖化戦争」は避けられるか

執筆者:草生亜紀子 2010年2月号

「地球の平均気温は、一度上がるごとに、国境を越えた移住者の数や、破綻国家・準破綻国家の数、そして内戦や国家間の紛争の数を一段と増大させていくおそれがある」――『地球温暖化戦争』の著者、グウィン・ダイヤー氏は、そう警告する。 軍事ジャーナリストのダイヤー氏は、三年前、米軍の情報部門が、気象変動が治安に与える影響を真剣に研究していることを知った。そこでIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書を精読し、世界十カ国で専門家に取材。温暖化が進めば世界の治安はどうなるか、「思考実験」を行なった。その結果が本書である。 二〇四五年、地球の平均気温が一九九〇年に比べて二・八度上昇したら描き出されるのは、破滅的な近未来である。中国で深刻な飢餓が発生、インドとパキスタンは水をめぐって戦争状態となり、アメリカはメキシコとの国境を封鎖。需要のピークを過ぎた石油価格が下落すると、ナイジェリアやイランなどの産油国は破綻し、テロリストの温床となる。飢餓に苦しむアフリカ北部からの難民に埋め尽くされたイタリアも国家崩壊の淵に立ち、EU(欧州連合)は南北に分裂……。 ただし、こうした最悪の事態は避けられると説く。

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