深層レポート 日本の政治
深層レポート 日本の政治(121)

通常国会前に難問山積 問われる首相の決断力

2010年2月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

 後任に起用されたのは菅直人副総理だった。健康問題を理由に藤井裕久財務相が一月六日に辞任。突然の閣僚交代ではあったが、これによって、鳩山政権が受けるダメージは少ないだろうというのが与党内の一般的な受け止め方だ。それどころか「かえって良かった」(民主党国対幹部)とまで言う議員もいるほどだ。 菅氏は就任早々、円安誘導発言で波紋を広げており、財務相としての適格性には疑問符がつく。しかし、そうであっても、一月十八日に召集される通常国会での予算案審議を前にして、高齢で体調が思わしくない藤井氏よりも、切れ味の鋭い菅氏の方がましだと判断する人々が与党内には多いのだ。 政界の常識から言えば、一月の通常国会召集前というのは、財務相交代のタイミングとしてあまり適切とは言えない。本来、予算案を作成した張本人である財務相が、これから始まる国会での予算案審議で答弁すべきであるのに、別の人物が答弁することになるからである。野党に足元を見られ、「予算をつくってもいない大臣相手に質問できない」などと、審議を混乱させる口実を与えることにもなる。 ただ、国会が始まって、予算案審議の最中に財務相が交代するよりは年末年始の方がまだましだろう。審議途中で財務相が代われば、審議の停滞は避けられないからだ。そう考えると、やはり藤井氏の辞任理由で一番大きかったのは、今の健康状態では長時間の国会審議を乗り切ることが難しいという点にあるとみるのが妥当だろう。

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